「風の谷のナウシカ」
何度となく語った。
私はこの映画について何度も語った。それでも語り尽くせないから、今日は2019年、最初の金曜ロードショーで放送するということもあり、今一度、語りたいと思う。
私はこの映画を語る上で、最初に言い続けているのは、この映画の世界観が、フランスのコミックの巨匠ジャン・ジロー、またの名をメビウスという人物が書いた「アルザック」というセリフのない作品の影響がかなり強くなっている。
また小説「残された人々」の影響や「デューン砂の惑星」なども入っているように思える。
ユートピアSFとは真逆のディストピア的世界観であることからも、自然破壊への多大なるメッセージが入っている。
漫画版では多くの設定、世界観が複雑化されているが、映画版はそれをよりわかりやすくしているところがある。
漫画版の設定上、地球を浄化する間、人類は冷凍睡眠していて、アンドロイド的な人類が地球の浄化を管理するというのが設定上存在している。
つまりナウシカたちこの世界で生きている人間たちは、人工的に誕生した人間もどきであり、地球が浄化された時には、人類が目覚め、彼らは処分されるさだめなのだ。
そうした設定もまた、無用に戦争を引き起こし、産業的に物を使い捨てる人間への強い皮肉が込められていると思われる。
ちなみにナウシカの設定では遠い未来、産業世界が絶頂を迎え、生物さえも操作できるようになった後「火の7日間」が起こり世界は終焉を迎え、1000年後、文明がかろうじて復興した世界が描かれている。
遥か遠い未来の世界なのだ。
「風の谷のナウシカ」を知れば知るほど、この世界は救いようのない人類の尻拭いをしている人々の話に見えてきてしまう。